【成功事例あり】介護事業所として生き残りをかけた戦いを制する3つの方法

【成功事例あり】介護事業所として生き残りをかけた戦いを制する3つの方法

介護事業者の経営をめぐる状況は、苦境が続いています。慢性的な介護人材不足や物価高、さらには光熱費高騰のあおりを受け、倒産や休廃業をする介護事業者はあとを絶ちません。超高齢化社会のなかで、今後も介護事業所が生き残っていくためには、どうすればよいのでしょうか。この記事では、介護事業所が生き残るために知っておきたい現状と、生き残り対策について、詳しく解説します。

介護事業所として生き残るために知っておくべき現状とは

介護事業所として生き残るためには、介護業界の現状を知っておく必要があります。

東京商工リサーチによると、2023年度における「老人福祉・介護事業」の倒産件数は122件で、過去2番目に多い数値となっています。倒産件数が多くなった背景には、慢性的な人手不足や競争激化に加え、近年の物価高が重なったことが考えられます。

サービス種別ごとに見てみると、訪問介護の倒産率が高く、67件と過去最多となりました。訪問介護では、長らく問題となっているヘルパー不足や高齢化に加え、ガソリンや電気代などのコストの高騰がさらなる追い打ちをかけたことで、倒産する事業所が増えたものと見られています。

また、事業を停止した介護事業者の休廃業や解散も増加しています。2023年度は、510件の休廃業・解散があり、過去最多記録を更新しています。こちらも、人手不足などで経営が悪化した結果、倒産する前に早めに事業継続を断念した事業所が多いと考えられます。

2024年度の介護報酬改定では、人材不足に対応するために処遇改善加算や基本報酬の見直しなどが行われました。全体では1.59%のプラス改正となったものの、訪問介護の基本報酬はマイナスとなりました。訪問介護ではヘルパー不足や光熱費高騰などの影響もあり、先行きが見通せない小規模事業所を中心に、倒産や休廃業、解散が相次いでいるのが現状です。このような背景から、多くの介護事業所が倒産の危機を迎えていると言ってよいでしょう。

介護事業所が生き残るための3つの対策

介護事業所がこれからも生き残るためには、どうしたらよいのでしょうか。介護事業所が行うべき対策を3つ紹介します。

ICT化で業務効率化を行う

介護事業所が生き残るための対策として効果的なのが、業務をICT化して効率化することです。

特に、おすすめなのが介護ソフトの導入です。介護ソフトを導入すると、以下のような業務効率化につながります。

  • 介護報酬請求業務が楽に行えるようになる
  • 介護記録やアセスメント記録の作成・保管が簡単になる
  • LIFEやケアプランデータ連携システムへのデータ連携、他事業所や医療機関との情報共有がしやすくなる

介護業務が効率化されると、残業時間の削減や情報共有が容易になるなど、職員の業務負担が軽くなります。業務負担の軽減により働きやすい環境づくりができると、職員の定着率が上がる可能性があります。また、業務効率化により空いた時間を利用者に関わる時間に充てることができるため、利用者の満足度向上にも貢献できるでしょう。

このように業務効率化を行うことで、介護業界にありがちな人材不足に対応でき、また顧客満足度向上にもつながるため売上にも直結します。そのため、事業所の生き残り対策としては非常に有効です。

未取得の加算の取得を目指す

介護事業所の生き残りのためには、未取得の加算の取得を目指すのもよいでしょう。

2024年度の介護報酬改正では、新加算や加算率がアップしているものが多くあります。訪問介護では、特定事業所加算の見直しが行われました。未取得の加算のうち、職場改善を行うことで取得できる可能性あるものがあれば、ぜひ取得を目指しましょう。

また、処遇改善加算も大幅な見直しとなっています。なかでも、訪問介護は新しい処遇改善加算Ⅰであれば、最も高い加算率である24.5%となります。高い加算を取得するほど、職員に給与として還元できるため、職員の定着率向上に役立てることができるでしょう。

働きやすい環境を整備する

働きやすい環境を整備することも、介護事業所の生き残り対策として有効です。例えば、パートから正社員への登用や育児中の時短勤務など、多様な働き方ができる体制を整備しましょう。

職員は出産や子育てなどライフスタイルの変化に合わせた働き方ができるため、離職防止にひと役買うことができます。

また、出産や子育て、ハラスメントに関する相談窓口を設置することで、直属の上司に面と向かって相談しにくい場合にも悩みを相談することができるため、職員の定着率向上が目指せるでしょう。

さらに、職員の介護技術を底上げするための体制を整えることも大切です。施設内研修の定期的な開催、施設外研修の研修費の補助や研修参加日の出勤扱いなど、職員が学び続けたいと思うような体制を整えましょう。ほかにも新人育成体制を整え、新人が相談しやすい環境を作ると、新人の離職率は下がりやすくなります。

介護事業所が生き残るための業務効率化成功事例3選

ICT化により、どれほど業務が効率化するのか、知りたい人も多いのではないでしょうか。実際にICT化したことで業務が効率化した事例を3つ紹介します。

事務作業時間が大幅削減でき売り上げアップ

千葉県成田市で訪問介護を提供している成田エコハウス株式会社では、介護ソフト「介舟ファミリー」と記録ソフトCarewingを導入したことで、事務作業や予定と実績の突合確認作業の効率が向上しました。この2つのソフトを導入することで、シフトと請求が連動し、シフト作成での入力ミスがなくなったほか、記録のファイリングがなくなったことで、職員の事務作業に対する負担が大幅に減少しました。その結果、特定事業所加算の取得要件である月1回の研修開催ができるようになり、売り上げが10%もアップしています。

請求業務や書類作成時間が短縮

茨城県や埼玉県、東京都で放課後等デイサービスや障害児相談支援を行うピースホームタウン株式会社では、相談支援を開業するタイミングで、介護ソフトを導入しました。放課後等デイサービスと相談支援との連携ができる介舟ファミリーを導入したことで、複数のパソコンでの作業が可能となり、請求業務や書類の作成時間が短縮されました。その結果、店舗運営や療育ミーティングなどに時間を有効活用できるようになり、本部の統括管理が非常に楽になったとのことです。

業務効率が50%アップ

福岡県と佐賀県で介護サービス、障害福祉サービス事業所を幅広く運営する千歳グループでは、さまざまなサービスに対応している介護ソフト「介舟ファミリー」を導入したことで、全部門を一元管理することができるようになりました。その結果、請求業務での残業がほぼなくなり、業務効率が50%もアップしました。

障害サービスと介護保険サービスの多くの事業を総合的に事業展開している千歳グループでは、多様なサービスに対応している介舟ファミリーの機能をフル活用することで、業務効率化に成功しています。

介護事業の生き残りではICT化による業務改善がカギ

介護事業所が生き残るためには、職場環境の改善が欠かせません。そのため、できるだけICT化して業務を効率化していくことが必須となるでしょう。

介舟ファミリーを導入することで、記録ソフトで入力した実績をそのまま請求ソフトに連携できるなど業務効率化の実現が可能となります。また、わかりやすい操作性と画面になっているため、小さな事業所から総合経営の事業所まで、さまざまな介護事業所で活用できます。これからの介護事業所経営を考えるなかで、介舟ファミリーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

業務効率化を推進している事業所は“価値”が高い

事業承継を考えている施設の運営責任者は、働いているスタッフや利用者にできるだけ負担がかからないように配慮しつつ、承継を進めることが大切です。また、事業所の業務効率化が進んでいる事業所は、評価が高いでしょう。政府がデジタル化を推進している状況下において、特にDX化へのインフラが整備されている事業所は、買い手にとって魅力的に映るためです。

そのため、いずれは事業承継をしようかと考えている事業所の運営責任者の方は、今から業務効率化を推進するとよいでしょう。その中でDX化の足がかりとして欠かせない介護ソフトが未導入の事業所は、導入の検討を始めてみることをおすすめします。

介舟ファミリーの介護ソフトは導入後の評判も良く、利用している事業所も多いのが特徴です。ぜひ、介舟ファミリーも検討範囲に加えてみてください。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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介護事業の承継方法とは?3つの方法とM&A行使の流れについて解説

介護事業の承継方法とは?3つの方法とM&A行使の流れについて解説

介護事業所を運営する管理者にとって、事業承継は常に意識していることのひとつではないでしょうか。M&Aを行使するのがいいのか、子どもや社員に事業を譲るのが得策なのか、大きな悩みとなります。 この記事では事業承継の方法と、それに関係するメリットとデメリット、M&Aを行う際の手順について解説します。

介護事業所の倒産や廃業の背景

近年、介護事業所の倒産や廃業が相次いでいます。

株式会社東京商工リサーチによると、2023年の「老人福祉・介護事業の倒産」件数は122件。2022年は143件という結果が出ています。

数字上では倒産件数は減っているように見えますが、2022年の倒産にはデイサービスを運営していた「ステップぱーとなー」グループ31社の連鎖倒産が含まれています。その点を考慮すると、「介護施設の倒産は増えている」と言えるかもしれません。

また、「老人福祉・介護事業の休廃業・解散」は2023年で510件にのぼり、2010年以降、最多の件数となっています。
それでは、増加しつつある介護事業所の倒産や、休廃業、解散の背景には、どのような理由があるのでしょうか。

コロナ

新型コロナウイルス感染症は、介護施設の経営を悪化させた要因のひとつです。基礎疾患のある高齢者は、感染すると重症化するリスクがあるという理由から、デイサービスへの通所を控えた人も少なくありませんでした。

その一方で、施設側では感染対策として、マスクや消毒液などの備品の購入、食堂やプレイルームへのついたての設置などの経費がかさみました。その結果、経営が圧迫された施設が増えたのです。

コスト高

世界的なインフレや国際情勢の悪化によって、物価が上昇しています。食料品、日用品だけでなく、光熱費、ガソリン代などのエネルギーの高騰により、さまざまなコストが徐々に増えている施設も少なくありません。

そのうえ、コロナ対策の一環として換気を重視することが指導されているため、夏場、冬場はエアコンを使用したまま窓を開ける必要が出てきました。不経済ではあるものの、施設での感染防止対策としては仕方ないことです。そのため、施設の経費はさらに膨れ上がり、倒産や廃業に追い込まれるケースもありました。

人材不足

介護業界の人手不足は今に始まったことではありません。慢性的な人手不足に危機感を感じ、対策を打ち出した事業所は離職率が低いものの、何も手を打たなかった施設はここにきて人手不足が切実な問題となっています。

また、離職率が低い事業所でも、長年勤務しているスタッフの高齢化問題が浮上してくるところはあります。利用者がいても、そこで働いてくれるスタッフがいなければ、事業所を続けていくのは難しいのが現実です。スタッフの人材不足から廃業を決める施設もあります。

2024年の法改正

コロナ、インフレ、人材不足などのあおりを受けながらもギリギリで営業を続けてきた介護施設ですが、さらに追い打ちをかけたのが2024年の法改正です。訪問介護の基本報酬がマイナスとなったことで、さらに事業所の利益が減ってしまい、経営状態が悪化、閉鎖に追い込まれる事業所もあるでしょう。

介護事業の承継方法とメリットデメリット

経営が立ち行かなくなった事業所には、主に2つの選択肢が考えられます。事業を承継するという方法と、廃業です。介護事業所を承継する主な相手として、大きくは以下の3つが挙げられます。承継先と、その際に考えられるメリットとデメリットを解説します。

親族に承継する

子どもや親戚など、身内に事業所を承継する場合です。

メリット

承継する相手が親族のため、関係性が近く信頼性できる相手と言えます。そのため、スムーズに承継が行われることが多いです。

デメリット

親族承継のデメリットは、経営者としての実力がないうちに承継させてしまいがちな点です。

その結果、経営が立ち行かなくなり、倒産という事例が多いのです。子どもや親族へ承継する際は「経営者として独り立ちできるのか?」という視点で、冷静に見極める目が必要です。

社員に承継する

社員として働いていた有能な人材を登用し、事業を承継させることもよくあります。

メリット

事業を任せられる有能な社員ならば、信頼性も高く承継相手としてふさわしいと経営者は納得できます。

承継を任せられた社員にとっても、モチベーションが上がり、仕事のやりがいも出てくるでしょう。

デメリット

今までは社員として働いていた社員が、承継後には経営者となります。施設という職場は変わりませんが、経営者と社員ではスタンスが異なります。経営者は将来の方向性を定め、的確な戦略を立案し、資金調達するなどがメインの仕事となります。

スタッフとして優秀でも、経営者としての資質があるのかどうかは別の話かもしれません。経営者としてやっていく覚悟があるのかどうか、事前にしっかり話し合っておく必要があります。

他社へ承継する

他社へ事業を譲渡することを、M&Aと言います。事業所を売却するためには、事業所の規模、売り上げ、施設の状況だけでなく、建物や車などの資産をすべて査定し、承継する事業所にいくらの価値があるのかを計算することから始めます。

メリット

経営者は譲渡した金額が受け取れます。それを元手に投資したり、新たな商売を始めたりすることも可能です。

デメリット

トップが変わるため、事業所の運営方針もガラリと変わることがあります。スタッフや利用者への説明など、引き継ぎをしっかり行う必要があります。この部分を丁寧に進めないと、反発が出て継承が頓挫してしまうこともあり得ます。

承継する相手がいない、またはM&Aで条件が合わないなどの場合は廃業となります。廃業する際は、スタッフの解雇、利用者への説明だけでなく、資産の売却や処分を行わなければいけないため、承継よりも時間と費用がかかることが多いです。

介護事業の承継の流れ(M&A)

実際に事業を承継する際には、どのような流れになるのでしょうか。前章で3つの承継先を紹介しましたが、ここではM&Aについて詳しく説明します。

  1. 仲介業者を探し、面談をする
    M&Aには法的なことも含まれるため、仲介業者を探すのが一般的です。仲介業者に、売り手としての条件面を提示し、買い手企業を探してもらいます。
  2. 買い手企業の選定
    仲介業者は、買い手企業を探すためのマッチングを行います。
  3. 企業双方の話し合い
    仲介業者が売り手と買い手の条件をすり合わせ、条件に合致した企業が現れた際は、仲介業者がセッティングして双方のトップの話し合いが行われます。この席では、売り手企業側に、業績やスタッフの条件、施設の資産などをヒアリングすることが多いでしょう。さらに双方が納得すると、基本合意の締結を行います。
  4. 最終的な金額の提示
    買い手企業は、公認会計士、監査法人、弁護士などの代理人を選出して監査を実施します。そして、買収希望金額を提示することで再び交渉に入るのです。
  5. 最終的な合意
    仲介業者が買い手、売り手の折り合う金額を提示し、最終的な合意を図ります。
  6. 譲渡契約の締結
    譲渡契約を締結してM&Aが成立します。

業務効率化を推進している事業所は“価値”が高い

事業承継を考えている施設の運営責任者は、働いているスタッフや利用者にできるだけ負担がかからないように配慮しつつ、承継を進めることが大切です。また、事業所の業務効率化が進んでいる事業所は、評価が高いでしょう。政府がデジタル化を推進している状況下において、特にDX化へのインフラが整備されている事業所は、買い手にとって魅力的に映るためです。

そのため、いずれは事業承継をしようかと考えている事業所の運営責任者の方は、今から業務効率化を推進するとよいでしょう。その中でDX化の足がかりとして欠かせない介護ソフトが未導入の事業所は、導入の検討を始めてみることをおすすめします。

介舟ファミリーの介護ソフトは導入後の評判も良く、利用している事業所も多いのが特徴です。ぜひ、介舟ファミリーも検討範囲に加えてみてください。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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