障害福祉サービスの報酬改定とは?訪問系サービスの改正ポイントや影響について解説!

障害福祉サービスの報酬改定とは?訪問系サービスの改正ポイントや影響について解説!

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定の内容が出そろいました。今回の法改正では、訪問系サービスに手厚い内容となっています。しかし、今回の法改正内容について、まだよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、障害福祉サービス等報酬改定のうち、訪問系サービスにおける改正の内容について、ポイントを押さえて解説します。

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2024年に施行される改正障害者総合支援法とは?

2024年度の障害福祉サービス報酬改定について解説する前に、障害者総合支援法を簡単におさらいしておきましょう。障害者総合支援法とは、障害の有無にかかわらず、一人ひとりが個人として尊重された社会生活が営めるよう、総合的に支援を行うための法律です。障害者総合支援法は、2006年度に施行された障害者自立支援法の基本的な構造を継承する形で、さらに2022年に改正され、2024年4月から施行になります。 障害者総合支援法の対象となるのは、身体障害者と知的障害者、発達障害を含む精神障害者に加え、難病等を患っている方となっています。障害福祉サービスを利用するためには、80項目に及ぶ調査を行ったうえで、必要な支援の度合いである「障害支援区分」を判定してもらう必要があります。障害支援区分が決まると、その度合いに応じてサービスが利用できるようになります。 障害者が利用できるサービスには、介護の支援を受ける「介護給付」と、訓練等の支援を受ける「訓練等給付」があり、それぞれに利用する流れが異なります。

2024年障害福祉の訪問系サービスの改定ポイント

2024年障害福祉サービス報酬改定のうち、訪問系サービスに関する改定ポイントを3つ紹介します。

処遇改善加算は訪問系サービスに手厚く配分される

障害福祉現場で働く職員が正当に評価されるよう、これまでにも処遇改善加算の見直しは行われてきました。

2024年度の改定では、2024年に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップが確実にできるよう、加算率の引き上げが行われます。加算率はサービスによって異なり、人材不足が深刻な訪問系サービスは、ほかのサービスに比べて高い加算率となっています。訪問系サービスにおける加算率は以下の通りです。

サービス区分 福祉・介護職員等処遇改善
居宅介護 41.7% 40.2% 34.7% 27.3%
重度訪問介護 34.3% 32.8% 27.3% 21.9%
同行援護 41.7% 40.2% 34.7% 27.3%
行動援護 38.2% 36.7% 31.2% 24.8%
重度障害者等包括支援 22.3% 16.2% 13.8%

処遇改善加算や特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算については、現行の各加算や各区分の要件と加算率を組み合わせた「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。この加算は4段階に分かれており、いずれの区分を取得している事業所でも、新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることが求められます。また、これまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合、ベースアップ等支援加算相当分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として、新たに配分することが求められます。具体的な加算の内容は、以下のとおりです。

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳ
    新加算(Ⅳ)の1/2以上を月額賃金で配分し、職場環境の改善や賃金体系等の整備及び研修の実施すること。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅲ
    新加算(Ⅳ)に加え、資格や勤続年数等に応じた、昇給の仕組みを整備すること。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅱ
    新加算(Ⅲ)に加え、改善後の賃金年額440万円以上が1人以上おり、職場環境のさらなる改善や見える化を行うこと。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ
    新加算(Ⅱ)に加え、経験技能のある福祉・介護職員を事業所内で一定割合以上配置していること。

この新加算では、職種間配分ルールも統一されました。新加算では、福祉・介護職員への配分を基本としたうえで、特に技術や経験のある職員に重点的に配分することと定義づけられました。ただし、事業所内での柔軟な配分も認められます。さらに、処遇改善加算等の対象に、就労定着支援の就労定着支援員、自立生活援助の地域生活支援員、就労選択支援の就労選択支援員も追加されました。

報酬改定で訪問サービスの基本報酬が引き上げられる

2024年度の改定では、訪問系サービスの基本報酬が引き上げられました。居宅介護における基本報酬について、詳しく見ていきましょう。

まず、居宅における身体介護が中心の場合と、通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心の場合の単位数は、以下のとおりとなっています。

所要時間 現行→改定後
30分未満 255単位→256単位
30分以上1時間未満 402単位→404単位
1時間以上1時間30分未満 584単位→587単位
1時間30分以上2時間未満 666単位→669単位
2時間以上2時間30分未満 750単位→754単位
2時間30分以上3時間未満 833単位→837単位
3時間以上 基準単位916単位→921単位

家事援助中心と身体介護を伴わない通院等介助場合、1時間30分未満までは各時間ともに1単位引き上げとなりました。

また、1時間30分以上の場合は、基準単位が2単位引き上げられました。

そのほかの訪問系サービスについては、重度訪問介護は1~20単位、同行援護では1~5単位の引き上げとなっています。

行動援護については、3時間未満までは7~30単位引き上げとなったものの、3時間30分以上からは6~55単位引き下げとなりました。利用時間が長いほど、引き下げ率が高くなっています。

また、重度障害者等包括支援については、以下のとおりです。

項目 現行→改定後
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、
生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、
就労定着支援または自立生活援助を提案した場合
(1)所要時間1時間未満の場合
 203単位→204単位
(2)所要時間1時間以上12時間未満の場合
 基準単位 303単位→305単位
※所要時間1時間から計算して所要時間30分を増すごとに
100単位→101単位を加算した単位数
(3)所要時間12時間以上24時間未満の場合
 基準単位 2501単位→2514単位
※所要時間12時間から計算して所要時間30分を増すごとに
98単位→99単位を加算した単位数
短期入所を提供した場合(1日につき) 953単位→973単位
共同生活援助(指定障害福祉サービス基準第213条の2に
規定する外部サービス利用型指定共同生活援助を除く)を
提供した場合(1日につき)
1003単位→1019単位

障害の重度化や障害者の高齢化など、訪問系サービスにおける地域のニーズへの対応

2024年度の改定では、障害の重度化や障害者の高齢化など、訪問系サービスにおける地域ニーズへの対応として、以下の4点が見直されました。

1つ目は、居宅介護の通院等介助等の対象要件の見直しです。居宅が始点または終点となる場合、通所系サービスの事業所や地域活動支援センター等から病院等の目的地へ移動する場合の通院等介助においても、同一の事業所が行うことを条件に、支援の対象として算定できるようになりました。

 

2つ目は、熟練従業者による同行支援の見直しです。重度訪問介護では、熟練従業者の同行支援をより評価する観点から、熟練従業者および新任従業者の報酬が、現在の所定単位数の85%、合わせて170%から、所定単位数の90%、合わせて180%が算定できるようになりました。また、現在15%加算対象者である医療的ケア等の専門的な支援・技術が必要な重度訪問介護加算対象者に対する支援については、採用から6カ月以内の新任従業者に加え、対象者に対する支援に初めて従事する者についても、熟練従業者の同行支援の対象となり、所定単位数の90%、合わせて180%を算定できるようになります。

 

3つ目は、同行援護の特定事業所加算における加算要件の見直しです。同行援護では、専門的な支援や技術を有する人材を配置した事業所が評価されるようになります。現状の加算要件である「良質な人材の確保」の要件に、新たに「盲ろう者向け通訳・介助員で、同行援護従事者の要件を満たしている者の割合が20%」が追加されました。

 

4つ目は、訪問系サービスにおける国庫負担基準の見直しです。障害者の高齢化に対応するため、新たに介護保険対象者の区分が追加となりました。また、重度訪問介護の国庫負担基準では、重度障害者の単位数の見直しや、介護保険対象者の区分が細分化されました

障害福祉サービスの報酬改定が訪問事業所に与える影響

障害福祉サービスの事業所数や利用者数は増えているものの、支える人材の不足や物価高騰の影響を受け、このままでは制度を継続できなくなる可能性もあります。

今回の改定により、基本報酬の見直しが行われたことで、小規模の事業所でも運営しやすい形になったと考えられるでしょう。

また、訪問系サービスの処遇改善加算率が高くなったため、人材確保や定着が図りやすくなります。現行の各加算や区分が見直されて4段階の新加算となったことで、処遇改善加算が取りやすい仕組みとなり、多くの事業所で処遇改善のための措置が取りやすくなるでしょう。

さらに、熟練従業者の同行支援や特定事業所加算が見直されたことで、技能や経験のある職員がより評価される形となりました。評価される職員にとっては、仕事に対するモチベーションが上がり、キャリアアップを目指すことや、長く仕事を続けようという意欲につながるため、長い目で見れば、職員の定着に良い影響をもたらす可能性があります。

2024年報酬改定は訪問系サービスに重点を置いた結果に

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定は、ニーズは高いけれども人材不足に悩む訪問系サービスに重点を置いた内容となりました。

訪問系サービスにとっては、基本報酬や処遇改善の加算率アップなど、満足のいく結果と言えるでしょう。

施行は4月から始まるため、事業所では改正に合わせるための対応に追われる可能性があります。

そこでトータルサポートを行っている介舟ファミリーであれば、あわてることなく法改正に対応することができます。介護ソフトの導入や乗り換えを検討している場合は、ぜひ介舟ファミリーも考えてみてはいかがでしょうか。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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障害福祉報酬改定で障害児通所サービスはどう変わる?改定ポイントと影響について解説

障害福祉報酬改定で障害児通所サービスはどう変わる?改定ポイントと影響について解説

2024年は障害福祉サービスの報酬改定が行われます。今回の改定では、さまざまな内容について見直しが行われ、新設される項目も多くあります。今回の障害福祉報酬改定により、障害児通所サービスにはどのような影響があるのでしょうか。障害児通所サービスにおける改定項目のポイントと影響について、詳しく見ていきましょう。

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児童福祉法と障害福祉報酬改定についておさらい

障害福祉サービスの報酬改定を知るうえで、理解しておくべきこととして児童福祉法と障害者総合支援法が挙げられます。

障害児における支援では、この2つの法律が大きく関わっています。児童福祉法と障害者総合支援法について、簡単におさらいしておきましょう。

児童福祉法とは、すべての子供を対象とした法律で、福祉の積極的な増進や健全育成を基本理念としています。

児童福祉法は1947年に制定されて以降、時代ごとに社会的ニーズに合わせた改正を行っています。

障害者総合支援法とは、障害がある人が日常生活や社会生活を送るうえで必要となる障害福祉サービスなどを定めた法律です。

障害者総合支援法は、2006年に施行された障害者自立支援法を改正する形で、2013年に施行され、定期的に見直されています。

2024年度の改正は、医療と介護とのトリプル改正となりました。トリプル改正となる年は、大規模な改正となることが多く、2024年度の障害福祉サービスの報酬改定においても、加算の新設や見直しが多く行われています。

2024年度の改定が行われる目的・背景

2024年度の障害福祉報酬改定が行われた目的や背景は、大きく3つあります。

1つめは、単位数に対する評価が十分でないという点です。児童発達支援や放課後等デイサービスの基本報酬は、定員規模などに応じて、1日当たりの単位数が決められていました。しかし、個々の支援時間の長短による手間が十分に評価されていないという声が上がっていました。

2つめは、家族のニーズに計画的に対応するためです。障害福祉サービスでは、家族からの預かりニーズが多かったため、2024年度の改定では、児童発達支援と放課後等デイサービスの延長支援加算が見直されました。

3つめは、放課後等デイサービスの提供するサービス内容についてです。放課後等デイサービスが提供するサービスのなかには、提供する目的に対し公費負担による支援としてはふさわしくない事業所があることが問題視されていました。そのため、2024年度は総合的な支援の基本とする方向の改定が行われています。

2024年度の改定で障害児通所サービスが押さえておきたい5つのポイント

2024年度の改定内容のうち、障害児通所サービスが押さえておきたいポイントを、5つに分けて見ていきましょう。

家族支援の充実

2024年度の改定では、家族支援の充実を図るため、自宅へ訪問し相談援助を行う「家庭連携加算」と、事業所内で相談援助を行う「事業所内相談支援加算」が統合し、「家族支援加算」へと名称も変更となりました。

家族支援加算は、個別相談援助を(Ⅰ)、グループでの相談援助を(Ⅱ)とし、居宅と施設それぞれで単位数が設定されています。

さらに、オンラインによる相談についても、算定できるようになりました。

また、本人の支援だけでなく、きょうだいも相談援助の対象となることが明確化されました。具体的な単位数については、以下のとおりです。

現行 改定後
家庭連携加算(月4回まで)
居宅訪問:280単位(1時間未満187単位)/回
家族支援加算(それぞれ月4回まで)
(Ⅰ)個別の相談援助等
 居宅訪問:300単位(1時間未満200単位)/回
 施設等で対面:100単位/回
 オンライン:80単位/回
(Ⅱ)グループでの相談援助等
 施設等での対面:80単位/回
 オンライン:60単位/回
事業所内相談支援加算(月1回まで)
(Ⅰ)個別相談:100単位/回
(Ⅱ)グループ:80単位/回

さらに、「子育てサポート加算」が新設されました。子育てサポート加算は、事業所が保護者に支援場面における観察や参加などの機会を提供したうえで、子供の特性や、特性を踏まえた子供への関わり方についての相談援助を行った場合に、1回当たり80単位を、月4回まで算定できます。

関係機関との連携を強化し質の高い支援の実施を目指す

今回の改定では、関係機関との連携を強化し、質の高い支援の実施を目指すため、「関係機関連携加算」の対象に医療機関や児童相談所等が追加されました。この加算は、個別支援計画作成時以外に情報連携を行った場合に算定できます。現行の加算と比べると、内容が細分化する結果となりました。具体的な加算内容は、以下のとおりです。
現行 改定後
(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成した場合
 200単位/回(月1回まで)
(Ⅱ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合
 200単位/回(1回まで)
(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成した場合
 250単位/回(月1回まで)
(Ⅱ)保育所や学校との会議等により情報連携を行った場合
 200単位/回(月1回まで)
(Ⅲ)児童相談所、医療機関等との会議等により情報連携を行った場合
 150単位/回(月1回まで)
(Ⅳ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合
 200単位/回(1回まで)

また、セルフプランで複数の事業所を利用する子供に関する連携について、「事業所間連携加算」が新設されました。この加算では、子供の状況や支援状況の共有等の情報連携を行った場合、加算を算定できます。さらに、セルフプランを自治体と障害児支援事業所が共有して活用する仕組みも設けられました。事業所間連携加算の詳細な内容は以下のとおりです。

  • (Ⅰ)中核となる事業所 500単位/回(月1回まで)
    会議開催等による事業所間情報連携、家族への相談援助や自治体との情報連携を実施した場合
  • (Ⅱ)連携する事業所 150単位/回(月1回まで)
    上記の情報連携に参画、事業所内で情報を共有し支援に反映した場合

生活介護における支援の実態に応じた基本報酬区分が見直し

生活介護では基本報酬は営業時間で設定されていますが、2024年度からは、利用者ごとのサービス提供の実態に応じた報酬体系となるよう改定されました。

基本報酬の設定では、これまでの障害支援区分ごとと利用定員規模に応じた算定から、サービス提供時間を加えた算定となり、より細分化した設定となっています。
また、サービス提供時間については、医療的ケアが必要な利用者や盲ろう者など、障害特性等によって利用時間が短時間にならざるを得ない場合は、以下の配慮を実施します。

  • 個別支援計画に定めた標準の支援時間で算定することを基本とするなどの一定の配慮を設ける
  • 従業員の配置員数を算定する際に必要な前年度の平均利用者数の算定については、サービス提供時間を考慮する。具体的には、5時間以上7時間未満の利用者は0.75人、5時間未満は0.5人と計算する。短時間の利用者を午前と午後に受け入れることも可能とする

さらに、基本報酬に加えて「福祉専門職配置等加算(Ⅲ)」が算定できるようになります。福祉専門職配置等加算(Ⅲ)は、常勤職員が多く配置されていることや、常勤職員の勤続年数が長いことを適切に評価する加算で、1日6単位算定できます。また、福祉専門職配置等加算(Ⅰ)または(Ⅱ)との併用も可能です。

総合的な支援の提供を基本とした評価体制へ変更

質の高い発達支援を推進するため、2024年度からは総合的な支援の提供を基本とした評価体制に変わります。

支援においては、運営基準として、「運動・感覚」「健康・生活」「認知・行動」「人間関係・社会性」「言語・コミュニケーション」の5つの領域を含めた総合的な支援を提供することを基本とします。

事業所個別支援計画等において、支援内容と5領域のつながりを明確化したうえでサービスを提供することが求められるようになりました。

運営基準の定義に基づいた支援プログラムの作成や公表をしなかった場合には、支援プログラム未公表減算として所定単位数の85%の算定となります。この減算には、1年の経過措置期間が設けられています。

専門的支援加算及び特別支援加算については、両加算を統合し、専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別で集中的な支援を計画的に実施することについて、2段階で評価する形となりました。

基本報酬において、30分未満という極めて短時間の支援については、算定対象から原則除外されます。そして、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価ができるよう、支援時間による区分が設けられるようになりました。

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報酬改定が障害児通所施設に与える影響

2024年度の改定が障害児通所施設に与える影響は、大きく3つあります。

まず、放課後等デイサービスにおいては、習い事のような支援を行っている場合は、公費負担の対象外になる可能性があります。ピアノや絵画のみの支援、学習塾のような学習支援のみを提供している場合は、利用者に再アセスメントを行ったうえで、5領域とのつながりがわかる支援内容を記載した個別支援計画を再度作らなければなりません。個別支援計画の内容によっては、活動プログラムの内容についても見直す必要があるでしょう。

次に、基本報酬がアップすることで、利用者数の変動に柔軟な対応ができるようになります。その結果、小規模な事業所でも運営しやすくなり、施設からの地域移行が推進しやすくなると考えられます。

ただし、今回の改定では基本報酬アップや加算内容の変更、新設などが多く、業務負担や請求時の事務負担が増えることになるでしょう。

この負担を軽減するためには、法改正への対応とサポート体制が整っている介護ソフトの導入や、事業所のICT化が欠かせません。介舟ファミリーなら導入から法改正まで、しっかりサポートしてくれるので安心です。

事業所全体でサービスの質の向上に努めよう

2024年度の障害福祉報酬改定では、利用者のニーズに合わせたサービスの質の向上と、職員の待遇改善に重きが置かれた内容となっています。

また、障害児通所施設では、家族支援も含めた総合的な支援を提供していく必要があります。事業所全体で法改正に合わせた職場環境の改善や、体制づくりを行っていくことが大切です。

さらに、法改正は3年ごとに行われており、改正ごとに速やかな対応が求められます。日ごろから事業所のICT化を進めておくと、改正にもスムーズに対応できることでしょう。

法改正に対応した介護ソフトがあれば、法改正時の業務負担も軽減できます。

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2024年度介護保険法の改正決定事項とは?今回改正された決定事項を詳しく解説

2024年度介護保険法の改正決定事項とは?今回改正された決定事項をそれぞれ詳しく解説

2024年度に実施される介護保険法の改正は、多くの事業所運営者が注目しています。なかでも気になるのは、介護報酬の改定率ではないでしょうか。社会保障審議会や介護給付費分科会を経て、各サービスや課題の議論、ヒアリングも終了し、いよいよ2024年度の介護保険法改正が決定されました。この記事では2024年改正における決定事項の一部をご紹介します。

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2024年度の介護保険改正とは

2024年度の介護保険改正の概要と目的を確認しておきましょう。

2024年度の改正の概要

厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会」は、2023年12月に審議報告をとりまとめました。大きな柱は4つです。

  1. 地域包括ケアシステムの改定
  2. 自立支援・重度化防止を重視した介護サービスの改定
  3. 良質なサービスと、職場改善の改定
  4. 制度の安定性・持続可能性の確保の改定

介護報酬改定率は+1.59%、基準費用を上乗せして実質約2%アップ

令和6年度の介護報酬改定は改定率1.59%のプラスで決定しました。
そのほかに、賃上げや光熱水費の基準費を上げることで2.04%の増収になる見込みです。また、介護現場で働く職員に対しても、2024年度には2.5%、2025年度には2.0%のベースアップが予定されていますが、配布方法や時期などはまだ決まっていません。2026年度についても、令和8年度の予算編成で検討する予定です。

訪問介護・定期巡回では報酬引き下げ

上記のように介護報酬はアップした一方で、介護事業経営実態調査において収支差率が比較的安定していたためか、基本報酬が引き下げられたサービスもあります。

  • 訪問介護 -2.4%
  • 定期巡回サービス -4.4%
  • 夜間対応型訪問介護 -3.5%

厚生労働省は、介護職員等処遇改善加算において高い加算率を設定しているとして理解を求めていますが、大きな驚きと不満が上がっています。

在宅医療系サービスの改定は6月施行予定

改定はおおむね4月1日に施行されますが、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導の4つのサービスは6月1日施行の見込みです。該当する事業所は、改定内容に対応するなど注意する必要があります。

介護報酬について詳しくは「介護報酬とは?報酬計算の方法や仕組みをわかりやすく解説!」をご覧ください。

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2024年の介護保険改正の決定事項

介護保険法の改正で決定された事項の中からいくつかご紹介します。

業務継続計画(BCP)の未策定事業所に対する減算の導入

業務継続計画が未策定の事業所は、基本報酬が減算されます。しかし令和7年3月31日までの間に、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算にはなりません。

高齢者虐待防止措置の推進

居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全サービスで、高齢者虐待防止の措置が講じられていない事業所は、基本報酬が減算の対象となります。

身体的拘束等の適正化の推進

短期入所系、多機能系サービスでは、身体拘束等の措置が講じられていない場合には基本報酬が減算となります。
訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売 及び 居宅介護支援では、「緊急やむを得ない場合」を除いて身体的拘束等を行ってはならないこととしています。

管理者の責務および兼務範囲の明確化

管理者の責務については「サービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うこと」とされ、管理者が兼務できる事業所の範囲についても、「管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない」とルールが明確化されました。

ローカルルールについて

人員配置のローカルルールについては、厚生労働省令の範囲内での内容となり、事業者から説明を求められた場合にはその必要性を説明できるようにすることが求められます。

重要事項等のインターネット上での公表の義務化

重要事項等は、書面掲示とインターネット上での公表の双方が必要となります。介護事業者は、法人のホームページまたは情報公表システム上に重要事項等の情報を掲載し、いつでも誰でも閲覧できるようにすることが義務化されます。

感染症対応への新たな評価

感染症のパンデミックが発生した際に、医療機関と連携して高齢者を施設内で療養させることができる事業者には、新たな評価が設けられます。評価対象は以下の3点です。

  • 新興感染症の発生の際に、感染者の診療等を請け負う医療機関(協定締結医療機関)と連携体制を構築していること
  • 新型コロナウイルス感染症を含む一般的な感染症について、発生時の対応を協力医療機関等と取り決めるとともに、連携して適切な対応を行っていること
  • 医療機関等(感染症対策にかかる一定の要件を満たす必要があります)や地域の医師会が定期的に主催する感染対策に関する研修に参加し、指導などを受けること

BPSDの防止、早期対応に向けた取り組みへの評価

認知症チームケアの評価に新加算が設けられます。

一体的計画書の見直し

利用者を重症化させないという観点から、リハビリ・機能訓練、口腔、栄養を一体的に計画してサービスを提供することが推進されます。

一体的計画書について詳しくは「【2024年度介護保険法改正】一体的計画書とは?一体的計画書について詳しく解説」をご覧ください。

訪問系、短期入所系の口腔管理に関わる連携

事業所と歯科専門職を連携させて、適切な口腔管理を目指すことから、口腔関連強化加算が新設されます。

ユニットケア施設管理者研修

個室ユニット型施設を運営する管理者には、ユニットケア施設管理者研修の受講が努力義務となります。

科学的介護推進体制加算の見直し

科学的介護推進体制加算についても見直され、LIFEへのデータ提出の頻度が6か月に1回から3か月に1回となります。 LIFEについて詳しくは、「科学的介護情報システム(LIFE)とLIFE加算をわかりやすく解説!」をご覧ください。

ADL利得の計算方法の簡素化

ADL維持等加算の際のADL利得の値が変更になり、ADL利得の計算方法が簡素化されます。

排せつ支援加算の評価対象の追加

排せつ支援加算における評価対象のアウトカムに尿道カテーテル抜去が追加となります。

褥瘡(じょくそう)マネジメント

施設入所時に認められるなど、既にある褥瘡の治癒も評価の対象となります。

処遇改善3加算は「介護職員等処遇改善加算」に

以下3つの加算は一本化され、「介護職員等処遇改善加算」となります。

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員等特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算の各加算

外国人介護人材の人員配置基準の見直し

就労開始から6か月未満のEPA介護福祉士候補者や技能実習生は、条件を満たすことで就労開始から人員配置基準に算入できるようになります。

介護保険法改正における懸念点

2024年度の介護保険法改正は、2025年に団塊世代が後期高齢者となる現状を見据えた改正ともいわれています。2割自己負担の対象拡大や、処遇改善加算の一本化などが実施された際は、介護保険請求時の事務作業が煩雑になることが十分に予測できます。また、前述のとおり2024年の介護保険法の改定では介護報酬改定率1.59%を打ち出しています。そのため、申請手続きの書類の提出がさらに増えることも懸念されます。

2024年度の介護保険法改正への準備は介護ソフトの導入から

2024年度の介護保険法改正に向けて、事業所の運営責任者は、今から対策をしておく必要がありそうです。ICT化を進める厚生労働省は、介護ソフト導入を前提に書類作成の義務化を推し進めることは十二分に考えられます。
介護ソフト未導入、またはリプレイスを考えている事業所は、この機会に検討することをおすすめします。改正が始まってからでは、余裕を持った検討が難しくなるかもしれません。
介舟ファミリーの介護ソフトは、トータルサポートが受けられるため、介護ソフトが活用できるかどうか不安な事業所であっても安心です。また、誰でも直感的に操作ができる見やすい設計となっており、パソコンやタブレット操作が苦手なスタッフでもすぐに使いこなすことができるので、円滑な業務遂行が期待できます。

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ヘルパーの待遇改善につながる?2024年の介護保険法改正について詳しく解説

ヘルパーの待遇改善につながる?2024年の介護保険法改正について詳しく解説

2024年に実施される介護保険法の改正のなかで、ヘルパーの待遇改善は多くの介護関係者が注目しているところです。ヘルパーは慢性的な人手不足であり、多くの課題を抱えています。このまま対策をとらなければ、近い将来、ヘルパー不足によって経営が立ち行かなくなる事業所が出てくる可能性は高いでしょう。厚生労働省もヘルパー不足を問題視しており、解消に乗り出す動向が見受けられます。今回の改正でどこまでヘルパーの待遇が改善されるのか、事業所の責任者としては気になるところでしょう。

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ヘルパーの現状

“令和3年度版高齢社会白書”によると、2018年度に65~74歳の前期高齢者で要支援認定を受けた人の割合は1.4%、要介護認定を受けた人の割合は2.9%でした。75歳以上の後期高齢者の認定状況は、要支援が8.8%、要介護が23.0%です。高齢になればなるほど、介護が必要な人が増え、要介護度が上がるのは当然のことと考えられます。 その一方で、介護する側のヘルパーについては、離職率は年々下がっているものの、圧倒的に足りていないと言えます。 2022年度のホームヘルパーの有効求人倍率は15.53倍です。2025年度には介護職員数243万人が必要といわれていますが、2019年度の時点の介護職員数は210.6万人であり、大きな隔たりが予想されています。また、公益財団法人 介護労働安定センターの2021年度の「介護労働実態調査」によると、介護事業所の63%がヘルパー不足だと回答しています。 さらに、ヘルパーの平均年齢は54.4歳であり、ヘルパー全体の約4分の1が65歳以上という結果が出ています。ヘルパーの仕事は、利用者を車椅子からベッドに移乗する、おむつ替えを行う際に体位変換を行うなど、力仕事も多い職種です。ヘルパーは高齢になると業務をこなすことが体力的に厳しくなるため、続けるのが難しい職種でもあります。 このまま何も対策を講じなければ、ヘルパーはますます不足していくと考えられます。現時点でもすでに事業所の運営者は、1人でも多くのヘルパーを確保しておきたいところでしょう。 このように介護現場には多くの問題があります。詳しくは「介護現場の問題点とは?深刻な人手不足の現状と課題の解決方法」をご覧ください。

2024年の介護保険法改正とは

介護保険制度は創設されて20年以上がたちます。介護保険法は3年ごとに改正され、過去に6回の改正が行われています。次回の改正における主なポイントは以下の6点です。

1.処遇改善3加算が一本化

現行の処遇改善のための加算である「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」が一本化されることになりました。 新しい処遇改善加算では、要件や加算率を組み合わせた4段階となっています。その際、1年間の経過措置期間を設けます。 詳しくは「【2024年介護報酬改定】処遇改善加算は一本化される?重要なポイントをわかりやすく解説 」をご覧ください。

2. 居宅介護支援費の取扱件数が変更

取扱件数は以下のようになります。

  • 居宅介護支援費(I)(i):45未満
  • 居宅介護支援費(I)(ii):45以上60未満
  • 居宅介護支援費(II)(i):50未満
  • 居宅介護支援費(II)(ii):50以上60未満

居宅介護支援費算定の際の取扱件数算出の際に、指定介護予防支援の利用者数については、3分の1を乗じた数を件数に加えることとなります。また、居宅介護支援費(II)の要件は、ケアプランデータ連携システムを活用、かつ、事務職員を配置している場合と変更になっているので注意が必要です。

3. 通所リハビリテーションにおける事業所規模別の基本報酬が見直し

3つに分けられていた事業所規模が、「通常規模型」「大規模型」の2つになります。
また、大規模事業所であっても、リハビリテーションマネジメント加算の算定率が利用者全体で一定数を超えており、リハビリテーション専門職の配置も一定数を超えていれば、通常規模型と同等の評価が得られることになっています。

4. 事業継続計画(BCP)未策定の場合に減算

感染症および自然災害の両方についての事業継続計画(BCP)策定が求められており、未策定の場合には基本報酬が減算となります。ただし、2024年3月31日までは、減算が適用されないケースやサービスがあります。

5. 高齢者虐待防止措置が講じられていない場合に減算

指針の整備や研修の実施など、何らかの高齢者虐待防止措置が講じられていない場合に、基本報酬が減算となります。ただし、福祉用具貸与については、3年間の経過措置期間が設けられます。

6. 身体的拘束等の適正化の措置が講じられていない場合に減算

短期入所系、多機能系サービスにおいては、委員会開催や研修の定期的実施といった措置が義務付けられ、措置が講じられていない場合には基本報酬が減算となりますが、1年間の経過措置期間が設けられます。
訪問系サービス、通所系サービス、居宅介護支援、福祉用具貸与、特定福祉用具販売については、緊急時のやむを得ない場合を除いて、身体的拘束等は行ってはならないとなります。緊急やむを得ず身体的拘束等を行う際には、理由、様態、時間、利用者の心身状況の記録が義務付けられます。

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介護保険法改正でヘルパーへの影響はどうなる?

2024年の介護保険法の改正で、気になるのがヘルパーの待遇改善です。 厚生労働省は、改正前の2024年2月から介護職員1人当たり月6,000円の賃上げを発表しています。これは介護職だけでなく、介護補助者も対象になっています。すでに閣議決定されており、介護保険法の改正が行われる前にスタートしますが、気になる財源は当面は補助金で対応するようです。しかし、2024年には介護報酬を改定したのちに、財源は介護保険に移行し、6,000円は継続して支払われます。 また、介護保険の改正でも介護職員の処遇改善は議題に上がっています。提案としては、複数ある加算を一本化することで、約2.04%の介護職員の賃上げが実現できるのではないかという試算が出ているようです。

介護保険改正における懸念点

過去の法改正で訪問時間が短縮され、訪問の細切れ化が進んだことにより、ヘルパーから介護のやりがいやゆとりが奪われました。労働条件が悪化した結果、「ヘルパー不足は国の責任だ」として裁判を行った事例もあります。この事例を見てもヘルパーの待遇は良いとは言えず、現在においても、ヘルパーの待遇はさほど改善されていません。 ヘルパーの処遇に関しては、政府も改善方向に持っていかなければいけないと認知はしているものの、その一方で、そのための手続き作業などが増えて、さらに事務処理が煩雑になるのではないかという憶測も飛んでおり、そうなると、賃金が増えたとしても、ヘルパーの負担も増えることになるため、懸念点として指摘されています。

改正に備えて介護ソフトの準備を

ヘルパーの待遇を含めて、今後、厚生労働省が何らかの対策を打ち出していく際に、提出する書類がますます煩雑になることは十分に予測されます。ICT化にかじを切った政府のもとでは、介護ソフトを使った書類作成が当たり前のこととなるでしょう。 介護ソフト未導入、または導入済だが活用しきれていない事業所は、今から改正に備えて準備しておくのがいいでしょう。ただでさえ、スタッフは日常の業務に追われ多忙です。そこに改正に伴う煩雑な事務が増えれば、離職を考える人も出てきそうです。介舟ファミリーの介護ソフトは、クラウド型で使い勝手が良く、直感的に操作できるので、ICTに慣れていない職員でも操作しやすいのが特徴です。ぜひ、この機会に検討してみませんか。

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【2024年度介護報酬改定】処遇改善加算は一本化される?重要なポイントをわかりやすく解説

【2024年度介護報酬改定】処遇改善加算は一本化される?
重要なポイントをわかりやすく解説

2024年度の介護報酬改定では、処遇改善加算の改定が大きな注目ポイントになっています。今回の改定では、現行の3つの処遇改善加算が一本化されることになりました。処遇改善加算が改定されることで、現場にどのような変化が起きるのか、漠然と悩みを抱えている事業所は少なくありません。そこで、この記事では、2024年度の介護報酬改定における処遇改善加算の改定ポイントについて、改定の背景も含めて解説します。 介護報酬について詳しくは「介護報酬とは?報酬計算の方法や仕組みをわかりやすく解説!」をご覧ください。

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処遇改善加算の改定で3つの加算が一本化

今回の介護報酬改定では、現行の3つの処遇改善加算を一本化する形となりました。改定の背景やポイント、移行措置について、詳しく見ていきましょう。

現行の3つの処遇改善加算をおさらい

新しい処遇改善の内容を確認する前に、現行の処遇改善加算について、簡単に確認しておきましょう。現行の処遇改善加算には、以下の3つがあります。

介護職員処遇改善加算

介護職員の賃金改善のための加算。介護職員のみが対象。キャリアパス要件及び職場環境等要件を満たした事業所に支給。

介護職員等特定処遇改善加算

経験・技能のある介護職員に重点を置いた処遇改善加算。処遇改善加算を取得したうえで、介護福祉士の配置割合や職場環境等要件に関し複数の取り組みを行うなどの要件がある。加算は、介護職員以外も含めたほかの職員の処遇改善にあてることも可。

介護職員等ベースアップ等支援加算

「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を踏まえ、介護職員の賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提とした加算。対象は介護職員だが、事業所の判断により、ほかの職員の処遇改善にあてることができるよう柔軟な運用が可能。

処遇改善加算が一本化される背景

今回の処遇改善加算の改定では、処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるようにする観点から、現行の3つの加算を組み合わせた形で一本化する運びとなりました。現在の処遇改善加算の取得率について見てみると、介護職員処遇改善加算とベースアップ等支援加算については9割以上の取得率があるのに対し、特定処遇改善加算の取得率が7割台にとどまっています。 特定処遇改善加算を取得していない要因には、職種間や介護職員間の賃金バランスが取れないことへの懸念が挙げられます。また、仕組みを設けるための事務作業が煩雑なことや、計画書や実績報告書の作成方法が複雑なことなど、事務負担が大きくなることを懸念して取得していない事業所もあることがわかりました。 一本化されることで、事業所の事務負担を軽減し、柔軟な事業所運営が可能となることから、より多くの事業所で加算が取得しやすくなるでしょう。

改定される処遇改善加算のポイント

今回の処遇改善加算では、新加算のいずれの区分であっても、一番下の区分の加算額の1/2以上を月額賃金の改善にあてることが要件となります。現在ベースアップ等支援加算を取得していない事業所の場合は、新加算取得により増加するベースアップ等支援加算相当分の額については、その2/3以上を月額賃金の改善として新たに配分することが求められます。
職種間の賃金配分については、介護職員への配分を基本とし、経験や技能のある職員に重点を置いた配分が求められます。ただし、職種別の配分ルールはなく、事業所内での柔軟な配分が可能となります。
職場環境等要件については、生産性向上や経営の協働化に関する項目を中心とした要件で見直しが行われ、人材確保に向けてより効果的な環境整備が行える内容となっています。

処遇改善加算改定における加算要件の見直しポイント

今回の処遇改善加算の改定で見直しとなった加算要件の内容について、詳しく見ていきましょう。

賃金改善額の職種間配分ルールが統一

現行の処遇改善では、処遇改善加算はⅠ・Ⅱ・Ⅲの3段階、特定処遇改善加算はⅠ・Ⅱ・なしの3段階、ベースアップ等支援加算については、あり・なしの2段階と、それぞれに違う段階が設けられていました。新しい処遇改善加算では、現行の各区分の要件や加算率を組み合わせ、以下の4段階となっています。

加算Ⅳ

介護職員の基本的な待遇改善、ベースアップを目的とする。賃金体系等の整備や研修の実施、職場環境の改善、新加算Ⅳの1/2(6.2%)以上を月額賃金で配分することが要件。

加算Ⅲ

新加算Ⅳの要件に加え、資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組みを整備することが要件。

加算Ⅱ

新加算Ⅲの要件に加え、改善後の賃金年額440万円以上が1人以上いることや、職場環境のさらなる改善、見える化を実施することが要件。

加算Ⅰ

新加算Ⅱに加え、経験技能のある介護職員を事業所内で一定割合以上配置していることが要件。 また、加算・賃金改善額の職種間配分ルールも統一されました。 新加算では、介護職員への配分を基本とし、特に、経験や技能のある職員に重点的に配分します。職種に着目した配分ルールは設けないものの、事務所内での職種間配分については、柔軟な配分を行うことは認められています
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職場環境のさらなる改善や見直しが必須に

職場環境等要件では現行の6区分を引き継ぎ、具体的内容の追加や具体化・明確化がなされています。また、現行では6つの区分のうち1つ以上の職場改善に取り組む必要がありましたが、新加算では6つの区分それぞれについて1つ以上取り組むことが要件となっています。つまり、新加算では現行より要件が厳しくなる結果となりました。 新加算における職場環境等要件の6つの区分と具体的内容については、以下のとおりです。
区分 具体的内容
入職促進に向けた取組
  1. 法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
  2. 事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
  3. 他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築
  4. 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
資質向上やキャリアアップに向けた支援
  1. 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー 研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
  2. 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
  3. エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
  4. 上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ等に関する定期的な相談の機会の確保
両立支援・多様な働き方の推進
  1. 子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
  2. 職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
  3. 有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取 得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
  4. 有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている
腰痛を含む心身の健康管理
  1. 業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
  2. 短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
  3. 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
  4. 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
生産性向上のための業務改善の取組
  1. 厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会 の活用等)を行っている
  2. 現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している
  3. 5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
  4. 業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
  5. 介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。居宅サービスにおいてはケアプラン連携標準仕様を実装しているものに限る)及び情報 端末(タブレット端末、スマートフォン端末、インカム等)の導入
  6. 介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)の導入
  7. 業務内容の明確化と役割分担を行った上で、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)については、いわゆる介護助手 等の活用や外注等で担い、介護職員がケアに集中できる環境を整備
  8. 各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや 福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
    ※生産性向上の取組に係る加算(資料3論点②)を取得している場合には、「生産性向上のための業務改善の取組」の要件を満たすものとする
やりがい・働きが医の醸成
  1. 地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
  2. 利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
  3. ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供

段階ごとの具体的な職場環境等要件は、現行の処遇改善加算に相当する新加算Ⅲ・Ⅳの場合、それぞれの区分ごとにそれぞれ1つ以上、生産性向上については2つ以上の取り組みが必要です。現行の特定処遇改善加算に相当する新加算Ⅰ・Ⅱについては、区分ごとにそれぞれ2つ以上、生産性向上については⑰もしくは⑱を含んだ3つ以上に取り組むことが要件となります。なお、現行の特定処遇改善加算の「見える化要件」については、情報公表システム等で職場環境等要件の項目ごとに具体的な取組内容の公表をする必要があります。

処遇改善加算の改定ではケアマネは対象外

今回の介護報酬改定では、ケアマネの処遇改善についても要望が出ましたが、見直しはありませんでした。現行の処遇改善と同様、一部施設や事業所における配分による処遇改善のみとなっています。ただし、ケアマネの処遇改善が不要と認識されているのではありません。 今回の改正では、国はケアマネの人材不足が深刻化していることについて、各種処遇改善加算の対象の拡大や基本報酬等の評価による環境改善が必要であると明言しました。今後の改定では、ケアマネの処遇改善について検討される可能性があるでしょう。 ケアマネの現状については、「ケアマネの離職率はなぜ高い?離職理由と定着率を上げる方法を解説!」をご覧ください。

処遇改善加算の改定による現場への影響

今回の処遇改善加算の改定により、事務作業については作業軽減が図られ、全体的に負担は軽減すると考えられます。 職場環境等整備については、さらなる改善が必要となるため、最初は現場が混乱する可能性もあるでしょう。しかし、これまでの処遇改善における調査では、職場環境の改善に取り組んでいる事業所ほど、職員の満足度や継続就労意向が高くなるという結果が出ています。長い目で見れば、今回の改定により人材確保がしやすくなると言えるのではないでしょうか。 また、資質向上やキャリアアップに向けた支援を行うことで、勤続年数が伸び、介護福祉士の有資格者数も増えることから、将来的には質の高い介護が実践できる事業所になれる可能性は高いでしょう。

処遇改善加算改定への対応は法改正に対応した介護ソフトがおすすめ

今回の処遇改善加算の改定により、事業所は新しい加算制度への対応に追われることになります。特に、職場環境の改善については、時間がかかる部分もあるでしょう。また、新加算への移行に関する請求業務や事務作業に手間を取られることもあるかもしれません。このような場合でも、法改正に対応可能な介護ソフトが導入されていれば、スムーズな対応ができ事務負担も軽減できるでしょう。 処遇改善加算の改定を機に、法体制に対応している介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)などの2024年改正のポイントを解説!

障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)などの2024年改正のポイントを解説!

障害者総合支援法 は介護ともかかわりの深い部分もあり、介護事業者にとっては、大まかに内容を知っておく必要のある法律ともいえます。障害者総合支援法の次回改正は2024年に迫っています。介護保険にかかわる部分もあるため、内容を押さえておきたい人も多いのではないでしょうか。
この記事では、2024年の障害者総合支援法改正について、注目すべきポイントを解説します。 また、障害者を支援する法律のうち、同じく2024年に改正予定のものがいくつかありますので、そちらの一部もあわせて紹介します。※平成25年4月1日より、「障害者自立支援法」は「障害者総合支援法」に名称が変更されています

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障害者総合支援法の概要と改正の目的とは

障害者総合支援法は、障害の有無にかかわらず、個人として社会生活を営むことを支援する法律です。
社会情勢や障害者を取り巻く実情に合った内容へ調整するため、定期的に改正されています。
2024年の改正では、障害者の地域生活や就労支援の強化を行うことで、障害者の希望する生活の実現を目指す内容が盛り込まれています。
2024年は、医療や介護保険も同時に改正が行われる年度となるため、とくに注目を集めています。

令和6年介護保険法改正についての内容を知りたい方におすすめ

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障害者総合支援法などの2024年改正で注目すべき5つのポイント

障害者総合支援法をはじめとした障害者支援に関する法律の2024年の改正で、注目すべきポイントは5つあります。
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

1.障害者等の地域生活に関する支援(障害者総合支援法)

障害者等の地域生活に関する支援は、「居住支援」と「相談支援」のふたつがあります。

居住支援

居住支援では、障害者の希望する暮らし方が多様化することを見据え、地域生活の支援体制を充実する施策が盛り込まれています。

グループホームで生活する障害者が、一人暮らしやパートナーとの暮らしを望んだ場合に、地域生活へスムーズに移行できるように支援することが、グループホームの支援内容に追加されます。具体的には、グループホーム入居中からの移行支援や退去後の相談に応じ、安心して地域で生活できるように支援します。

自宅で生活する障害者に対する居住支援では、親亡き後の生活を見据えた支援を行います。将来、障害者が安心して地域での生活を送れるよう、緊急時の相談体制を整備します。また、短期入所の活用により、親元から離れての生活へスムーズに移行できる体制をつくります。強度行動障害を有する障害者に対しては、状態悪化時にグループホームや入所施設などで集中的な支援を受けられるような具体的方策も検討されています。

相談支援

障害者を支える相談支援センターおよび相談支援専門員数は年々増加しており、相談支援専門員のさらなる資質の向上が求められています。また、相談支援センターの利用者も増加傾向にあることから、地域生活の支援を推進していく必要もあり、相談支援事業の充実、強化が求められています。

2012年に設置開始となった基幹相談支援センターは、地域における障害福祉にかかわる総合的な相談窓口です。身体・知的・精神障害を持つ人たちのさまざまな相談に対応しています。しかし、設置は市町村の任意であることや、人材育成や支援者をサポートする取り組みが実施されていない地域もあることから、基幹相談支援センターの設置が努力義務化されます。

また、地域住民の多様な支援ニーズに応えるため、期間相談支援センターが医療や福祉などの相談支援関係者との連携を図る際の窓口として、周知を図るよう求められています。

2.障害者の多様な就労ニーズに対する支援(障害者総合支援法、障害者雇用促進法)

障害者の就労ニーズに対する支援には、次のふたつがあります。

就労選択支援の創設

障害者の希望や能力に合わせた就労ができるよう、雇用施策と福祉施策の連携強化として「就労選択支援」が創設されます。
就労支援の充実を図り、教育や医療などの関係機関との連携や、就労系障害サービスの利用を希望する障害者へのアセスメント実施の制度化を検討します。
そのうえで、就労支援に関する障害者総合支援制度を見直し、就労を支援する担い手を育成する方向で議論が進んでいます。

短時間労働者の雇用率算定特例

就労を希望する障害者のなかには、短時間しか働けない人も少なくありません。しかし、就労雇用率制度では、週所定労働20時間未満の障害者は雇用義務の対象外となるため、就労機会を逃している人が大勢いると考えられます。

そこで2024年度の法改正では、雇用義務対象外である週所定労働10時間以上20時間未満の障害者を事業者が雇用した場合、実雇用率に算定できるようになる予定です。これには障害者の就労機会を拡大する目的がありますが、同時に障害者を採用する企業のメリットにもなるでしょう。

3.精神障害者に対する支援体制の整備(精神保健福祉法)

精神障害者の支援体制整備には次の3つがあります。

医療保護入院の条件拡大

医療保護入院では、家族等の同意が得られないため適切な治療が行えず、症状が悪化するケースがあります。

2024年度の改正では、より多くの精神障害者が適切な治療を行えるよう、家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合でも、市町村長の同意による入院が可能となります。
また、医療保護入院の期間は6か月と定め、定期的に入院要件を確認する運びとなりました。

入院者訪問支援事業の創設

市町村長の同意による医療保護入院の患者に対する支援として、新たに入院者訪問支援事業が創設されます。
この支援事業は、医療保護入院の患者を中心に、本人が希望した場合に訪問支援する事業です。この事業の創設に伴い、医療保護入院者等に対して行う告知内容に、入院措置をとる理由が追加されます。

精神科病院における虐待防止

精神科病院におけるさらなる虐待防止策として、従事者などが虐待を発見した場合に都道府県の管轄機関へ通報することが義務化され、通報者を守る体制が明確化されます。
また、従事者などへの研修や普及啓発なども実施されます。

4.難病患者等に対する支援強化(難病法、児童福祉法)

難病患者等に対する支援が強化されます。難病患者および小児慢性特定疾病児童などに対する医療費助成の開始時期を、現在の申請日から、重症化した日に前倒しすることになりました。また、関係する療養生活支援の円滑な利用やデータ登録促進を図る目的から、新たに登録者証が発行されます。さらに、難病患者の療養生活支援や小児慢性特定疾病児童等の自立支援事業を強化するため、難病相談支援センターと福祉や就労に関する支援を行う人との連携が促進されます。

5.障害福祉分野におけるデータ基盤の整備(障害者総合支援法、児童福祉法、難病法)

障害福祉分野におけるデータ基盤の整備です。
国の調査分析や市町村による補装具を含めた自立支援給付などのデータ提供、第三者への提供等にかかわる仕組みを設けるため、障害福祉分野でも情報収集を行っていく方向となりました。
そのため、障害者データベースや難病データベース、小児慢性特定疾病児童データベースの法的根拠や安全管理措置、第三者提供ルール等に関する規定が新設されます。
また、難病データベースについては、助成対象外の軽症者についても登録できるようにするなど、登録対象者を拡大し、データ基盤の整備を進めていく方向です。

2024年改正で始まるふたつの新サービス

2024年度の障害者支援に関する法改正では、新たにふたつのサービスが始まります。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

アセスメントを活用した就労選択支援

就労選択支援とは、支援者と障害者が協力して就労を進めていく支援です。就労選択支援では、まず、支援者が就労にかかわるアセスメントを丁寧に行います。アセスメントの内容には、以下のような項目があります。

  • 職種や労働条件の希望
  • 持っている能力や適性
  • 就労後に必要な合理的配慮の内容

アセスメント結果をもとに、ハローワークが就労指導の実施や、就労系障害サービスの利用につなげていきます。
この新サービスが開始されることで、障害者がより能力や適性に合った仕事に従事し、多様なニーズに対応できるようになることが期待されています。

精神障害者に対する入院者訪問支援事業

入院者訪問支援事業とは、市町村長同意入院者を対象に、希望者のもとを支援員が訪問し、本人の体験や気持ちを丁寧に傾聴し、必要に応じて情報提供を行う事業です。医療保護入院では、医療従事者以外との交流が途絶えやすく、孤立感や自尊心の低下がみられる可能性があるため創設されました。
なお、この事業は都道府県の任意事業として位置づけられる予定です。

改正に向けて早めに準備しよう

2024年の障害者総合支援法などの改正により、新たなサービスが始まります。今後の議論次第では、さらに違った動きが出てくることも予想されます。改正内容に慌てず対応するためには、早めに業務効率化を進め、人材リソースに余裕を持っておくことが大切です。

そこでおすすめなのが、介護ソフトの導入・リプレイスです。煩雑になりがちな事務作業を効率化し、法改正に対応する余裕が生まれるだけでなく、本来の介護の業務により多くの時間をかけられるようになるでしょう。

介護ソフトの「介舟ファミリー」は、万全のサポート体制を整えているので、安心して導入できます。改正に向けた準備として、「介舟ファミリー」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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2024年介護保険法改正はどうなる?政府提言のポイントをわかりやすく解説

2024年介護保険法改正はどうなる?政府提言のポイントをわかりやすく解説

次回の介護保険制度の改正が2024年に予定されています。2024年度は医療保険や障害者総合支援法も改正の時期にあたるため、大きな転換期となることが予想されます。
2024年の介護保険制度の改正では、社会保障費や利用者負担が大きな論点となっており、介護事業者としても目が離せない内容となるでしょう。
この記事では、2024年の介護保険制度の改正に向けた政府提言について、わかりやすく解説します。

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介護保険制度はなぜ改正する?改正の仕組みを知ろう

介護保険法は、高齢者の現状を踏まえつつ社会のニーズに合わせるため、3年ごとに改正する仕組みとなっています。
介護保険制度が創設されて20年が経ち、厚生労働省の「介護保険制度の概要(令和3年5月)」によると65歳以上の被保険者は1.6倍に、介護サービス利用者は3.3倍に増加しました。いまや、介護保険制度は高齢者の生活に欠かせないものとなっています。

高齢者人口が増え続ける一方、介護保険制度を支える現役世代は人口が減少しています。介護保険制度を維持していくためには、制度を見直しながら現状に合わせていかなければなりません。また、高齢者を取り巻く現状や社会ニーズも変化していくため、定期的に介護保険制度の改正が行われているのです。

介護保険制度を改正する際には、まず、介護保険制度や介護保険サービスのあり方について調査が行われます。
その後、大きなテーマが決まり、厚生労働省や財務省の部会で意見が交わされます。
最終的に、テーマに沿って新たなサービスや加算などが決まっていく仕組みです。改正の際には、「財源からの支出を抑えたい財務省」対「社会的ニーズや現場の現状に合わせた施策をとりたい厚生労働省」という構図が見られています。

2024年介護保険法改正で押さえておくべき5つの注目ポイント

2024年の介護保険法改正に向けた政府提言が出そろっています。
この政府提言で注目したいポイントは5つあります。それぞれについて、詳しくみていきましょう。

利用者負担を原則2割に

1点目は、増え続ける介護費を補うため、利用者負担を原則1割から原則2割にしたいという提言です。介護保険の利用者負担は、現在は本人所得が160万円以上220万円未満の場合は2割負担、220万円以上の場合は3割負担となっています。この基準を引き下げることで、給付を抑えたいというのが、政府の狙いです。

しかし、原則2割負担となると、利用控えが起こる可能性があります。本来ならば介護サービスを利用する必要のある人が利用を控えてしまうことは、重度化を招く可能性があり、自立支援の考え方に逆行するとの意見も出ています。

2割もしくは3割負担を線引きする所得基準は、介護保険制度ではなく政令に委任されています。そのため、厚生労働省が意思決定できる裁量を持っています。このことから、2割負担については、2023年夏には結果が出る見通しとなっています。なお、3割負担については、結論を出す時期が示されていないことから、2024年度に対象者が拡大する可能性は低いでしょう。

福祉用具貸与のみのケアプラン費カット

2点目は、福祉用具貸与のみの利用の場合、ケアプラン費をカットすべきとの提言です。
財務省は、福祉用具貸与のみのサービスはほかのサービスに比べて労力が少ないと指摘したうえで、サービス内容に応じた報酬体制にすべきと提言しています。

しかし、ケアプランにはフォーマルサービス(介護保険制度内の公的なサービス)だけではなく、インフォーマルサービス(家族や地域、ボランティアなどによる、公的ではないサービス)も含まれており、モニタリング以外の場面で細かな連絡調整を行うケースが多いのが現状です。
現場からは、福祉用具貸与だけだからといって、必ずしも業務負担が少ないとは限らないとの意見が出ています。

提言では、手すりや杖などの廉価な福祉用具を販売へ切り替えて、居宅介護支援費をカットすることも求めています。
しかし、販売に切り替えてしまうことで、毎月のモニタリングがなくなってつながりが途絶え、結果として利用者が孤立してしまう可能性もあるでしょう。

小規模法人の大規模化

3点目は、小規模法人を大規模化すべきという提言です。
介護サービスの主体は、小規模な法人が多いのが現状です。介護保険制度の開始当初、政府は競争による介護サービスの向上を狙っていたため、さまざまな法人が介護業界に参入する結果となりました。そのため、小規模法人が多数を占める状況となっています。

政府は、小規模法人が増えた結果、質の向上が不十分で業務効率化が進まない、感染症発生時の業務継続がおぼつかない現状を指摘しました。財務省は、大規模で拠点数の多い法人ほどスケールメリットが働き、平均収支率がよいことを挙げています。そして、大規模化・協働化していくことで経営の効率化を促進しようと提言しています。

しかし、現場からは「小規模だから質が低い、大規模だから効率的という考え方は短絡的」と批判的な声が多く挙がっています。

多床室の室料負担の見直し

4点目は、多床室の室料負担の見直しです。現在、特別養護老人ホームでは、すでに多床室の室料を徴収しています。一方で、同じ介護保険施設である介護老人保健施設と介護医療院、介護療養型医療施設には室料負担が設定されていないため、利用者負担が軽くなっているのが現状です。

そのため、介護保険施設で公平な居住費を求めていく観点から、介護老人保健施設と介護医療院、介護療養型医療施設の3施設の室料相当額を、基本のサービス費用から外す方向で議論が進んでいます。

人員基準の見直し

5点目は、人員基準の見直しです。介護業界は長らく慢性的な介護人材の不足に悩んでいます。この介護人材不足の対応として、以前から人材基準の見直しについては議論が続いていました。前回の改正では、特定施設におけるICTやロボット活用による人員基準緩和が検討され、2022年に実施の方向でした。

ところが、関係団体や現場からは反発の声が続出したため、実施には至りませんでした。今後もこの議論は続く方向で、2024年の改正に向けた論点になる可能性は高いでしょう。

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注目度は高いが2024年では見送りが決定したトピック

2024年の介護保険法改正では見送りが決定した提言のなかに、特に注目しておきたいトピックがふたつあります。
これらは2027年の改正時に結論が出されるため、今後も動きに注意しておきましょう。

要介護1・2を総合事業に

1点目は、現在、介護給付となっている要介護1・2の訪問介護、通所介護の利用を、総合事業に移管する構想です。
要介護1・2の訪問介護と通所介護が総合事業になると、保険者である市町村の判断で報酬や基準が決められるようになります。その結果、介護費の抑制や、人員基準緩和による担い手拡大が期待できるとされています。

しかし、先に総合事業になった要支援者の訪問介護および通所介護の実施団体を見ると、担い手の拡大化は進んでいません。

また、要介護1・2の利用者には、ADLは自立していても認知症が進行しているケースが多く見受けられるため、在宅生活の継続には専門的なサービスが必要との意見も多くなっています。総合事業へ移管してしまうと、専門的なサービスが受けられず、かえって重度化を招くとの反対意見も散見されます。

ケアプランの有料化

2点目は、介護保険サービスでは10割保険負担(利用者負担なし)となっているケアマネジメントの費用を有料化するという提案です。ケアプランの有料化については、以前より議論がなされてきました。

現在、在宅サービスにおけるケアマネジメント費用は全額保険給付(利用者負担なし)となっているのに対し、施設サービスにおけるケアマネジメント費用は利用者が負担するサービス料金に含まれているため、在宅と施設の間で公平性が保たれていないと政府は指摘しています。ケアプランを有料化することで、在宅と施設サービスの公平性の確保が期待できるでしょう。また、利用者が費用を負担することでケアプランに関心を持つことが考えられるため、ケアマネジメントの質の向上という目的につながる可能性もあります。

しかし、ケアプランが有料化されると、本人や家族の意向をできるだけ反映してもらいたいという圧力が強まり、必要なサービスの種類や量を適正に組み込めなくなる可能性も考えられるでしょう。

2024年の介護保険法改正に向け早めの対策をしよう

今回紹介した政府提言は、これから社会保障審議会を経て、2024年度の改正に向けて骨子が決まります。今後の動向を見ながら、改正に向けて早めに対策をしていくことが大切です。

また、今回の提言では、業務効率化やICTに関する議論も見られています。多忙な介護現場の労働環境の改善や、介護の質の向上には、介護ソフトの導入・リプレイスも効果的です。

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