「心さえあればいつかは通じる」
これは、比較的年配の方や、古くから福祉に携わられている管理職・施設長クラスで時に聞かれるものですが、自身は、この発言は、他の業種に対する最大の侮辱であり、また、福祉に関わる者の傲慢であると考えています。
例えばですが、わが国の製造業は、小さな町工場で作られる精密な部品が支えていると言われます。
そこでは、場合によっては相当にご高齢の方が日々のお仕事に携われておられますが、これらの方々は、ご自身のお仕事に「心を込めて」向き合っておられるはずです。
では、心さえあれば、外国の部品に負けないものを作ることができるのかというと、そんなことはありえません。
極めて高い技術を「心を込めて」注ぎ込むからこそ、精密な部品を作ることができるわけです。
つまり、「福祉“は”こころ」でもなんでもなく、「福祉“も”こころ」であり、こころは福祉の専売特許でも何でもありません。
であるからこそ、「心を込めて」相手に接するという当然の姿勢のうえで、質の高い支援のるための知識・技術の習得が大事になります。
この意味で、研修は、たかが研修ではなく、されど研修として意味を持つと考えられます。