老人ホーム選び 人の質 編

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介護コラム

平 家宏 氏

キットカンパニー(株)代表取締役

私の仕事は老人ホームやサービス付高齢者住宅を一緒に探す仕事です。
私にとって介護の質とは
“情報の質”
“相談力の質”
“人の質”です。

今回で最後のコラムになります。最終回もお読みいただき有難うございます。
今回は人の質(及び会社の質)です。
紹介センターの相談員にとっての質とは真面目である事、バランスのある事だと思います。

(真面目な事)
紹介会社は老人ホームにご入居してもらい老人ホームの運営会社から手数料をいただきます。
手数料も様々です。
1件の成約手数料が多いホームもあれば少ないホームもあります。
利潤を求める相談員は手数料の安いホームは紹介しません。
手数料の高いところのみ紹介をしていきます。
でも一般の方にはわかりません。
プロがいうのだから大丈夫と思ってしまいます。
入居者やご家族の希望から遠ざかり、施設選びを失敗する確率が高くなります。

また会社も同様です。
入居者や家族の希望条件にある程度あえば紹介料の高いホームに誘導するよう相談員に指示します。
“○○ホームは今月、紹介料が高いから誘導するように….”

恐いですね。

このような不真面目な事(利益主義)をしないで、できるだけ希望条件に近いホームを複数ホームを提案・見学して最後は家族が決める(ユーザー主義)ようにすることが真面目な相談員だと思います。

(バランス)
バランス感のない相談員は入居者側よりだったりホームよりだったりします。

入居者側、ホーム側にとって後々問題が残る事も多々あります。

例えば
一人暮らしで足元が心配で入居を考えている方に、バランス感覚のない相談員は、入居者の家族に安心してもらおう、
ホームに入居してもらおうと気持ちから
“ホームに入居すれば24時間介護職員がいるから安心です”
これを聞いた家族は
“ホームに入居すれば転倒しなくて骨折はしない”
と思ってしまうかもしれません。
実際は違います。
転倒のリスクが無いのではなく、転倒のリスクが少なくなる可能性や転倒した後に発見が早くなるのです。
ここをちゃんと説明して家族にご理解をいただかないと転倒、骨折があった時は家族は
“なんで転倒したんだ!!”
と怒ってしまいます。
ホーム側は
“常にマンツーマンで介護しているわけではないので・・・”と
両者の意見が食い違います。
説明していない時に事故が起こると、もめごとに至ります。
入居者やホームの仲介になる私たちは、どちらか一方に寄り添うのではなく、両者が納得する説明をすることが重要です。

最後に私の15年間の老人ホームの入居相談を経験して得たプライオリティの順番です。

1.健康
2.人間関係
3.お金

この順番を間違うと
・お金はあるけど体の自由や生活の自由が利かない。
・経済的に無理のある高級なホームに入ると、親子・兄弟との人間関係が崩れる。
などいっぱい様々な方を見させていただきました。

ホームを検討するときにはこの順番を間違えないよう気を付けてください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
どこかでお会いできる事を楽しみにしています。

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