通所サービスにタブレット端末を導入するメリット・デメリットを解説
近年、介護現場ではICT化が進んでいます。在宅で生活する高齢者が利用する通所サービスでも、介護ソフトやパソコンは導入済みで、さらなるICT化のためにタブレット端末の導入を検討しているところもあるでしょう。しかし、通所サービスにタブレット端末を導入するとどのような効果があるのかがわからず、導入を悩んでいる人も多いのではないでしょうか。この記事では、通所サービスにタブレット端末を導入するメリットとデメリットについて、詳しく解説します。通所系の事業所や施設の責任者の方で、介護スタッフの業務効率化に取り組んでおられる方は、ぜひご覧ください。
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介護現場におけるタブレット端末導入の現状
通所サービスでタブレット端末を導入する効果について検討する前に、介護現場全体におけるタブレット端末導入の現状を見てみましょう。
厚生労働省が2020年3月に公表した「介護現場におけるICT環境の整備状況等に関する実態調査」によると、介護現場全体でのタブレット端末導入の割合は約30%でした。タブレット端末の導入と、事業所の職員の常勤換算人数および法人の売上高には関係性があることがわかっています。職員の常勤換算人数が多いほど、または売上高が高い施設ほど、タブレット端末の導入率が高い傾向が見られると報告されています。
通所サービスに目を向けてみると、通所介護では35.7%、地域密着型通所介護では32.1%、通所リハビリテーションでも23.8%の事業所がタブレット端末を導入しています。介護現場全体の導入割合とほとんど変わらない結果です。
しかし、導入しているタブレット端末の台数を見ると、通所サービスすべてで1台の割合が最も多く、地域密着型介護では66.1%と、過半数が1台のみの導入となっています。この結果から、通所サービスではタブレット端末の導入が進んでいるものの、利用台数が少なく、タブレット端末が持つ利便性を生かせていない状況であると考えられるでしょう。
通所サービスでタブレット端末を導入する目的とは
通所サービスにタブレット端末を導入する一番の目的は、業務効率化によるサービスの質の向上です。
通所サービスに限らず、介護施設や事業所では、本来の介護業務のほかに記録や書類を作成するといった事務作業が多く発生します。職員が十分にいる事業所であれば、記録や書類作成の時間を設けることも可能でしょう。しかし、介護現場は慢性的な人材不足に悩んでおり、利用者への対応に追われて1日の業務が終わってしまうことも少なくありません。職員の人数が足りず、見守りをしていて記録の時間がとれない、といった悩みも多く聞かれています。
介護現場にタブレット端末を導入すると、持ち運びができるため、見守りをしながらの記録が可能です。その場で起こったことをすぐに記入できるため、メモした内容をあとで転記するといった手間が生じません。記録業務の時間を短縮できれば、利用者と向き合う時間が増えるため、介護の業務に多くの時間を割くことができます。その結果、利用者に合わせたサービス提供が可能となり、質の向上につながるのです。
通所サービスでタブレット端末の導入を行うメリット
通所サービスにタブレット端末を導入すると得られるメリットには、次の3つがあります。
情報共有がしやすくなる
タブレット端末の導入により、リアルタイムでの情報記入や閲覧が可能になると、離れた場所にいる職員同士でも情報共有がしやすくなります。通所サービスでは、送迎時に家族から伝言があるケースも少なくありません。伝言を聞いた職員が情報を記入しておけば、ほかの職員が閲覧して情報を共有できます。伝えもれを防ぐことができるでしょう。
また、通所サービスでの利用者の状況を撮影してタブレット端末に保存し、家族に様子を見せることも可能です。特に、タブレット端末は写真を拡大表示することもできるため、利用者本人や家族に情報を共有する際にも見やすいというメリットもあります。
介護記録が簡単にできるようになる
介護現場では、バイタルチェックや些細な情報はメモに記載し、あとでパソコンやファイルに転記することが多いでしょう。転記の際に間違えてしまうことや、メモを紛失してしまったという失敗をした職員もいるのではないでしょうか。タブレット端末なら持ち運びができるため、バイタルチェックした数値をその場で記入できます。介護ソフトによっては、タブレット端末から音声入力や直接入力で記録する機能を備えており、パソコン入力が苦手な職員でも気軽に記録できるでしょう。
災害時対策としても有効
近年、自然災害が増えており、介護事業所もいつ被災してもおかしくない状況となっています。地震や水害などにより事業所が被災してしまった場合、利用者の情報が取り出せない事態が発生するかもしれません。クラウド保存型の介護ソフトでは、データそのものは保守されますが、情報を取り出すにはパソコンが必要です。そのようなときにタブレット端末があれば、いつでもどこでも利用者の情報を確認でき、災害時であってもサービス提供の継続につなげることが可能です。
通所サービスでタブレット端末を導入した際のデメリット
タブレット端末の導入を検討する際には、導入した場合のデメリットについても考えておく必要があります。通所サービスでタブレット端末を導入した際に考えられるデメリットは、以下の3つです。
操作に慣れるまでに時間がかかる可能性がある
タブレット端末は、スマートフォンと操作性が近いため、スマートフォンを使い慣れている人であれば操作の習得は難しくありません。しかし、事業所によっては職員の年齢層が高く、タブレット端末の操作に苦手意識を持つ人や、抵抗を感じる人もいるでしょう。導入の際には、操作マニュアルを用意する、タブレット端末の操作が得意な職員からレクチャーを受ける機会を設けるなど、苦手な人でも操作に慣れるための時間を確保するとよいでしょう。
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端末の紛失や情報漏えいの可能性がある
タブレット端末は持ち運びがしやすい反面、紛失や故障する可能性があります。落としたり画面を割ったりしないよう、持ち運ぶ際の注意点を事前に周知しましょう。また、事業所外に持ち出すときには、いつ、誰が、どこに持っていくのかを職員間で確認し、事業所に戻ったら速やかに所定の位置に戻すようにします。情報漏えいすることのないよう、設定したIDやパスワードは外部にもらさない、必要時だけ使用するなどのセキュリティ対策も行ってください。いざというときのために、紛失や故障の場合の取り決めは必ずしておきましょう。
端末の利用料がかかる
タブレット端末を導入した場合、タブレット端末の機器代と月々の使用料が発生します。タブレット端末の場合、事業所外に持ち出すことも考えられるため、Wi-Fiだけでなく通信料も含めた金額でコストを計算しておく必要があります。また、端末の台数が増えるほどコストも増額するため、複数台の導入では、コストに見合った活用ができるかをよく検討することが大切です。
通所サービスにタブレット端末を導入するときの注意点
すでに介護ソフトを利用している通所サービスでタブレット端末を導入する際には、既存の介護ソフトがタブレット端末に対応しているかの確認が必要です。介護ソフトによっては、タブレット端末に対応していないものや、一部の機能がタブレット端末で利用できないこともあります。介護ソフトとタブレット端末の相性については、利用中の介護ソフトの担当者や相談窓口で確認するとよいでしょう。
これから介護ソフトを導入する、もしくは介護ソフトの買い替えを視野に入れている場合には、タブレット端末対応の機能が充実している介護ソフトを選ぶとよいでしょう。タブレット端末対応の介護ソフトにはさまざまな種類があり、訪問サービスに特化している、通所サービス向けなど、それぞれ特徴があります。タブレット端末でどのような機能を使いたいのか、導入によりどのような業務を効率化したいのかを明確にしたうえで、介護ソフトを選びましょう。
タブレット端末本体を選ぶときには、スペックにも注意しましょう。安価な製品や中古商品では、OSが使用中の介護ソフトに対応していない場合があります。動画を活用する機会が多い場合には、スムーズに動画が見られる程度の容量が必要です。また、用途に応じて適切な大きさの画面を選択することも大切です。事業所外へ持ち出す機会が多い場合、画面が大きすぎると持ち運びがしにくくなります。利用者や家族、職員と情報共有の際に利用する機会が多いのであれば、画面が小さすぎると、たとえ拡大しても文字や映像が見えづらくなります。持ち運びが多い場合は、バッテリー稼働時間の長い機種を選定するとよいでしょう。このように、タブレット端末を選ぶ際には、実際の利用状況をかんがみて、よく検討しましょう。
通所サービスでタブレット端末を導入するなら介舟ファミリーがおすすめ
通所サービスにタブレット端末を導入すると、利用者に必要な情報をその場で記入でき、記録業務の時間を短縮できます。入力した情報はリアルタイムで共有できるため、伝えたい情報が伝達されたかの確認作業も必要ありません。タブレット端末の導入により介護職員の業務負担が軽減されれば、利用者に向き合う時間が増え、質の高いサービスの提供が可能になるでしょう。
介護ソフト「介舟ファミリー」には、通所サービスの記録業務を効率化するためのツール「タブ録」があります。パソコンで計画を立てるだけで、タブレット端末でその日の利用者の情報を確認できます。情報は業務日誌や連絡帳にも転記されるので、記録業務の負担を減らせます。通所サービスでタブレット端末を導入するなら、「介舟ファミリー」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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