国内のM&A件数が増加していくなかで、介護施設のM&Aも徐々に増加しています。2012年からはM&Aの件数は急増しており、本格的なビジネス強化や新規参入に踏み切る企業が増えてきました。
大手の介護事業所によるM&Aでは、介護事業最大手のニチイ学館が2021年の株式会社西日本ヘルスケアの完全子会社化を皮切りに、毎年介護M&Aを行っています。また、関西大手のケア21も、2014年に名古屋のグループホームを子会社化して以降、徐々にM&Aを行い、2021年からは訪問介護を中心としたM&Aを実施しています。国は介護事業所の大規模化・協働化を推進する方向に動いていることから、国の動きが介護M&Aの追い風になる可能性も考えられるでしょう。
また、介護関連ビジネスの将来性を期待して、異業種からの参入も増えています。2015年にはSOMPOホールディングスがワタミの介護を完全子会社化しました。2017年には、野村不動産ホールディングスがJAPANライフデザインに資本参加しています。異業種からの参入は、本業との相乗効果により、今までになかった新たな介護サービスを生み出すでしょう。生み出された新サービスが高齢者のニーズにマッチすれば、満足度は高くなり事業所全体の評価につながります。このことから、今後も異業種大手企業からの参入は増加していくのではないでしょうか。