「生活状況」の欄は、あくまで現在のことです。しかし、アセスメントでは以前の仕事や、これまでの生活スタイルにまで話がおよぶことはよくあります。
例えば、利用者が元板前だったという情報を聞けば、ケアマネは「どんなお料理がお客さんに人気でしたか?」など、当時のことをあれこれ聞くでしょう。「腕がよく、常連客が毎日来ては彼の料理を楽しんだ」などの情報は貴重です。
得た情報を施設のスタッフと共有すれば、食事の時間に「サンマのおいしい調理法って焼く以外に何かありますか?」といったコミュニケーションをとるきっかけになるでしょう。
介護施設のスタッフは、利用者と積極的にコミュニケーションを図りたいと思っていても、何を話せばよいのかわからず、天気や社会ニュースぐらいしか話題がないこともあるのです。
しかし、ケアマネから情報を聞くことで利用者の過去の経歴などがわかれば、そこから話を広げることができ、スタッフと利用者の距離が縮まるきっかけとなります。