担当し始めた当時のデイケアは、職員個々の介護観に基づいた支援が展開され、そのコンセプトは、
「何でも職員がやってさしあげる”おもてなし”」でした。
その当時、職員が慌ただしく動いている半面利用者は椅子に座りじっとしているデイケアの風景が目に留まりました。
デイケアの基本方針(目指すべき事業の姿)が運営基準にこう書かれています。
「(中略)その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活をことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し…(中略)、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。」
つまり、デイケアを利用することで、
- 本人が今できていること、わかっていることを、これからもでき続けられるように、わかり続けられるように。
- できなくなっていることは、本当にできなくなっているのか専門職が見極め検証し、取り戻すことができるように支援する。
- 本当にできなくなっていることについては代行する。
ことがあるべき事業の姿イコール専門職に求められる支援と言えます。
先述したような、当時のデイケアの「おもてなし」も大事なことではありますが、何でもやって差し上げることに尽力していては、利用者が「活動しない→機能や能力を使わない→機能や能力が衰える」になり、ひいては基本方針に逆行してしまうのです。
第3回に続きます。