病院では治療を最優先にケアに当たる。一方、在宅において看護師は、「生活を支える専門職」としての役割を担わなければならない。
「生活を支える」と口で言うのは簡単だが、行動に表すことは容易ではない。
当社では、専門職は自らを「地域専門職」と名乗り、病院とはフィールドの異なる、「地域」に根ざした専門職であることを、スタッフに意識してもらいたいからだ。
そうした意識のないまま、在宅の世界に飛び込んで病院でのやり方をあてはめようとすれば、即クレーム「もう来なくていい」といった事態に陥る。
残念ながら、私はこれまでこのような専門職を何人も見てきた。
例えば、糖尿病で針を何回も同じ針を使用していた方がいたが、病院しか経験がない専門職はどう反応するだろうか?
おそらく、「あー不潔!感染対策がなってない!」と大声を上げる方も多からず少なからずあるだろう。
でも、正解な対応は「そういうやり方もあるんですね」という受容する対応が基本である。
その方の生活のあるがままを受け入れて、ラポールを築いていき、その後に初めて専門性を出したアドバイスをしていく。
これが「今までと意識を変える」という具体的なエピソードである。