これによると、「最善の医療およびケア」とは、「単に診断・治療のための医学的な知識・技術のみではなく、他の自然科学や人文科学を含めた、すべての知的・文化的成果を還元した、適切な医療およびケア」であり、「生活の質(QOL)の高い状態とは、主観的な幸福感や満足感が高く、身体的に快適な状態」であるとされています。
これらのことを考えると、例えば栄養をとる方法として胃瘻を造る際の意思決定や合意決定はどのように行われているのかが気になります。
医師に「口から食べられない、在宅で介護するなら胃瘻ですね。」と言われても、胃瘻にしない選択もありますし、胃瘻を造ったとしても、朝は胃瘻で栄養をとり、昼と夜は嚥下の訓練をしながら口から食事を摂ろうとしている方もいます。また、先輩ヘルパーとALS(筋萎縮性側索硬化症)の方のお宅を訪問した際に、その先輩ヘルパーは「今日はお嬢さんがつくったかぶのスープです。かぶが好物とうかがいました」といって、形のあるスープを利用者の方に見て頂いてからミキサーにかけていました。
つまり、胃瘻を造ることがその方の生命維持にとってどうかでなく、その人の生活や人生のありようから、その選択を尊重しどう寄り添えるかが生活の質を左右すると考えます。
介護職の立ち位置の重要性が問われているように思います。