高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第3編~

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佐藤 知良 氏

さて、今後の介護業界について見てみると、5年後の2025年には団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者となり、総人口の約20%弱を占めてくる。
さらに65歳以上の高齢者と合わせると総人口の30%を超える。
つまり、5年後には日本の総人口の約3人に1人が高齢者ということになる。

一方で、働き手となる介護士の労働人口(15歳~64歳)は減少傾向にあり、すでに2020年現在で介護士が約13万人不足している。
さらに5年後の2025年には約34万人の介護士が不足すると危惧されている。

これからさらに少子高齢化が進み、高齢者住宅等の介護事業所においては需要(高齢者)と供給(働き手)のバランスが大きく崩れ、提供する介護サービスの質をどのように維持向上していくかが大きな課題となる。

このような状況下でも、介護事業所各社は介護品質を保つため、協会や会社独自の事例検討会において新たな取り組みを発表したりしているが、今後はAIやIoTを活用した介護も取り入れ、介護ロボットを現場で導入したり、コミュニケーションツールとしてのロボット開発も進んでいくだろう。
しかしながら、介護の仕事のほとんどは、人の動作や判断によるところが大きく、AIやIoTでも限界があると言わざるを得ない。

少子高齢化による限られた人材の中で、提供する介護サービスの質を高めていくためには、スタッフ1人ひとりが“介護のプロ”として前編で述べたことを認識し働くことが大切だと思うが、何よりも1つのチームとして機能する組織づくりが大切だと思う。

そのために、チームのコンダクター(管理者)は、スタッフ1人ひとりがチームプレーに徹しやすく働きやすい職場環境を築き、下支えすることが重要だと言えるだろう。

~(完)~

佐藤 知良

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